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「ダニについて」
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マダニには800以上もの種類があり、あらゆる環境に適応、生息できるため、全世界的な問題となっています。しかもマダニは、ペットのみならず、野生動物、人間に対しても健康上の問題を引き起こすため、人類は長年にわたってマダニの駆除と撲滅に取り組んできました。
ペットの血を吸う外部寄生虫というとノミやダニが有名ですが、いつも一緒にされているので同じ仲間かなと思われがちですが、意外なことにダニはノミのような昆虫ではありません。分類上では、ダニはクモと同じ仲間です。卵からかえったばかりの幼生時代には足は3対しかありませんが若虫以降では4対あります。(昆虫の成虫は3対)ダニには何千種もいて、その分類も難しいといわれています。ペットや人の血を吸うダニで比較的よく研究されているものにはマダニ科とヒメダニ科の2つがあります。英語だと、マダニ科のものは一般にHard Ticks(固いダニ)、ヒメダニ科がSoft Ticks(柔らかいダニ)の名で知られています。

フタトゲチマダニやオウシマダニなどの大型ダニ、毛包に寄生するニキビダニ(毛包虫)という小型ダニなどもあります。フタトゲチマダニやオウシマダニなどの吸血性のダニは猟犬によくみられますが、公園などの草むらで遊ばせているときに寄生されることもあります。ニキビダニは毛の根元の毛包や皮脂腺に寄生し、アレルギー反応によって発疹をおこし、痒みを伴います。局所に起こる場合と、全身性に広がる場合があり、後者は「膿包型」といって細菌の二次感染を伴い極めて直りにくい病気で、ひどい場合は全身が衰弱して死んでしまうこともある恐ろしい病気です。ニキビダニは皮膚の中に寄生するので、他の寄生昆虫と比べそう簡単には駆除できません。(写真はヒセンダニ(毛包虫))

ダニは、ノミとは違い、卵以外は全て動物の血液をエサとして成長します。若虫の期間はダニの種類ごとにかなり差があって中には7回も脱皮を行うものもいます。従って、卵から成虫になるまでの時間も種によっても違い、気候などの外的要因にも影響されます。同じ種類であってもダニが好む気候の地域では成長も早く、そうでない地域ではゆっくり成虫になるようです。また、困ったことにダニの方がノミよりも飢えに強く、吸血しないでもかなり長期間生き延びられることがわかっています。マダニは、どのような場所にも繁殖し、危険な病気を媒介するペットの大敵です。

(1)卵の時期
地上で産卵されます。1回の産卵で2000〜3000個が産まれ、約17〜30日程度でふ化して幼ダニになります。
(2)幼ダニの時期
葉の先端などに移動して動物に寄生し、動物の歩く振動や熱や二酸化炭素を感知します。吸血した後、脱皮するため地上へ落ち、脱皮のため10〜18日間地上で生活します。
(3)若ダニ時期
再び葉の先端などに移動して動物に寄生し、約3〜6日くらい吸血した後、脱皮のため地上へ落ち、脱皮のため12〜20日間地上で生活すします。
(4)成ダニの時期
再び葉の先端などに移動して動物に寄生し、約3〜10日間吸血し地上へ落ちて産卵します。吸血によって、吸血前の100〜200倍の大きさになることがあります。

マダニの吸血方法
このようにマダニは、卵からかえると即、吸血を開始します。マダニも蚊のように管状の口器を動物の皮膚に刺しこんで吸血します。この吸血管の表面にはギザギザした突起があり、一旦差し込むと抜けにくい構造になっています。口器は、皮膚と皮下組織を切開する「鋏角(きょうかく)」と、その傷に差し込まれるギザギザの歯がついた「口下片(こうかへん)」から構成されます。マダニが動物の皮膚に接触すると、鋏角が動きはじめて皮膚を切開します。鋏角の運動により傷口が開いたままの状態になり、そこに口下片が徐々に差し込まれます。また、マダニは温度の高い方へ移動する習性があり、体に食いついた場合、皮膚の奥へ奥へと食い込みます。マダニの場合は、接着剤の働きをするセメント様物質を注入し、差し込まれた口下片を傷口に固定しますので、これを取り除くのは容易ではありません。このセメント質はマダニが十分に血の食事をとり終わるころには溶けてしまうそうです。吸血期間中には唾液分泌と吸血が交互に繰り返されています。血液中の栄養素を濃縮し、大量の水分を唾液として宿主に吐き戻します。唾液には抗血液凝固や抗炎症活性があり、宿主の反応を抑制しているのです。これにより周囲の組織が破壊されます。最初の数日間の遅い吸血の後、急速な吸血が始まります。血液の流れと唾液分泌は周囲の細胞の溶解と壊死を加速させます。病原体が伝播されるリスクが高くなるのはこのときです。
吸血前のマダニならば、たいして問題はないのですが、すでに吸血中のときはマダニの体を引っ張ってもそう簡単にとれるものではありません。中でも Ixodes 属のダニの口器は長めにできているので、自然に離れるのを待った方が安全なときもあります。無理に虫体をひきちぎると、口下片が皮膚内に残存し、異物肉芽腫などの炎症が続発し、切開除去が必要になります。

マダニの生活場所
マダニの発生には温度や湿度など様々な要因が複雑に関与しています。このため、季節的に大発生したり、動物に突然多数のマダニが寄生することがあるのです。一般にマダニの活動季節は春から夏といわれています。実際、よく研究されていて全国的に広く分布し、重篤な病気を媒介するフタトゲチマダニは、春に活動を開始し夏には成ダニの数が最も多くなります。秋にはこれらが生んだ卵がかえるので幼ダニが多くなります。冬季は冬眠し、春にはまた活動を再開します。しかし、地域やマダニの種類によっては冬季にも寄生が認められるものもいます。(全国に分布するキチマダニ、シュルツェマダニは冬でも動物に寄生することが確認されています。)
屋外の草むらなどには、幼ダニ、若ダニ、成ダニの3段階のマダニがいます。これらは草に登り、葉っぱの先端で犬などの動物を待ちます。そして動物が近くを通過したときに付着し、皮膚へたどり着くと吸血を開始します。マダニは動物からの熱、振動、二酸化炭素を検出するハラー器官という独特の感覚器官によって動物を探します。

幼ダニと、若ダニは3〜8日間ほど吸血し、宿主から離れて地上に落ち脱皮します。成ダニも3〜11日間ほど宿主の血を吸い、交尾して地上に降ります。メスダニは何千個もの卵を生みます。いったん宿主に付着したマダニは、頭や耳などの比較的皮膚の薄い部分を刺すために、宿主の体の上を移動します。 動物のカラダ全体に寄生しますが、特にまぶたや耳、胸、内股、肛門のまわりなど、やわらかく、毛の少ない部分を好んで寄生する傾向があります。寄生しやすい所は、顔周り(耳・目の上・下あご・口の周りなど)や腹部(内股のあたり・肛門の周囲)、四肢(指の股・パッドの間)です。(写真は広節裂頭条虫ですが、ここではイメージです)

マダニの被害
前述のように、マダニの吸血は皮膚への多大な被害をもたらします。しかし、マダニの被害はそれだけではありません。マダニは原虫、細菌、リケッチア、ウイルスなど多くの病原体を媒介します。人畜に対する種々の感染 症媒介に関係しており、人間の生活にきわめて重要な関わりをもつ生物なのです。日本では過去においてマダニ媒介性の感染症があまり知られていなかったこと やマダニ類の大多数が主として野生動物を宿主としており、その調査研究が困難であったことから、マダニの感染疫学や防除に必須である生活史に関する研究はあまりなされていなかったのです。マダニによる感染症には人畜共通のものが多く、その中には死に至る病も少なくありません。

(1)マダニが引き起こす直接的な病害
貧血:マダニは寄生期間中に、吸血前の体重の100倍もの血液を吸うので、大量に寄生を受けた場合には貧血が見られます。 皮膚の細菌感染 皮膚に寄生したマダニを犬が除去しようとして掻いたときにできる傷に、細菌が感染する事があります。アレルギー:マダニは吸血する時に動物対内に唾液を注入します。これによって動物がアレルギー状態になる事があります。
(2)マダニが媒介する病気
バベシア病 ライム病 ダニ媒介性脳炎 ヘパトゾーン症 腺熱リケッチア症 Q熱 ヘモバルトネラ症 野兎病 ロッキー山紅斑熱病

バベシア病
バベシア・ギブソニと呼ばれるマダニ類によって媒介される原虫です。犬のバベシアは、神戸の開業医が戦後発見したもので、南・西日本に比較的よく発生します(病気を媒介するダニが、関西以南に生息しているため)。しかし、最近では関東でも見られるようになってきました。東北以北での発生はほとんどありません。別のバベシア・カニスと呼ばれるものは沖縄だけに存在します。その他闘犬にもよく発生するので、ケンカや出血をともなう傷も感染の原因になるのかもしれません。

バベシアは、マダニの吸血の際に犬の血管内に注入され、赤血球のなかに寄生し、さらにそこで細胞分裂によって増殖を繰り返し、赤血球を破壊していきます。そして再び新たな赤血球に侵入して、その数を増やしていきます。この虫の寄生した赤血球は網内系組織(血管が網目のようにめぐっている組織)である肝臓、脾臓に溜まります。

症状は貧血、肝腫、脾腫、黄疸、発熱があげられます。体じゅうの細胞に酸素を供給する役割を担う赤血球がどんどん壊されていけば、衰弱が進行して、ついには全身性の酸素不足状態からショック状態に陥り、一命を落としてしまうのであります。血液検査で虫が分かりますが、慢性になってしまうと血液検査でも虫が分からなくなってしまいます。予防法は何といっても媒介者であるダニを駆除することです。ダニがこの虫を犬の体内に送り込むのに、2,3日かかるので、ダニがついたらすぐとってあげることが重要です。 治療は、血液検査で寄生体が確認されれば、貧血に対する補助治療とあわせてバベシアに対する薬物治療を行います。薬物は急速に寄生体を死滅させるものではないのですが、数を減らし犬自身の免疫が感染をコントロールできるようにします。ただし回復しても犬は無症状のキャリアー(保菌動物)になりやすいので注意します。(写真は無鈎条虫ですがここではイメージです)

ライム病の原因であるボレリア菌は、感染マダニの中腸、血体こう、唾液腺にみられます。感染の危険はマダニ付着後48時間は低く、72時間以降高くなることが実験によりわかりました。一般に、マダニによる疾病伝播の危険性は、付着後48時間以内では低いと考えられています。


◇参考資料
わんにゃんパル
http://www.12pal.com.au/
ペット大好き!
http://www.petoffice.co.jp/
ヴァーナル
http://www.vernal.co.jp/index.html
ワンちゃんねる
http://www.trimmer-navi.com/cgi/mtbbs/mtbbs.cgi?
メディアルジャパン
http://jp.merial.com/
どうぶつの薬
http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/yakuri/animaldrugs.htm


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