《Dr.石井のしつけ講座》

◆犬の服従訓練(しつけ)
 と問題行動の予防

01 はじめに

02 犬の本能・習性と正常行動

03 犬の学習理論

04 社会化期

05 しつけ:服従訓練とオペラント訓練技法1

06 しつけ:服従訓練とオペラント訓練技法2

07 問題行動と行動療法1- 攻撃行動について -

08 問題行動と行動療法2- 攻撃行動について -

09 問題行動と行動療法3- 攻撃行動について -

10 問題行動の予防

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犬の服従訓練(しつけ)と
問題行動の予防[4]

「社会化期」

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1965年にアメリカの心理学者のJ.スコットとJ.フューラーらは子犬の行動発達についての16年にわたる研究の成果を明らかにしました。
生まれた子犬の感覚や行動様式は環境について影響を受けながら発達し、行動発達は(1)新生期、(2)移行期、(3)社会化期、(4)若齢期の各段階に分けられるというものです。各段階の特徴は以下の通りです。

1:移行期 (生後0〜13日)
目があくまでの時期で各種の反射機能(交差心筋反射、マグナス反射、ルート反射、唇吸引反射、眼瞼反射、排泄反射)はありますが、目はみえず、外界の刺激からは遮断されています。平衡感覚、痛覚、温度感覚はあり、この時期に基本的ならびに身体的に必要なものは母乳、保温、睡眠そして自分ではまだ排泄できないため母犬が子犬の陰部をなめ排尿排便を促す反射刺激です。

2:移行期 (生後14〜20日)
耳はまだきこえませんが、視力をはじめとする感覚機能が徐々に発達し、刺激に反応して学習する能力が出てくる時期です。臭覚はこの時期から学習が始まっていてこの時期に子犬にふれることは犬と人間の相互関係を形成するのに役立ちます。自分で排泄ができ、生後20日頃から歯が生えてきます。

3:社会化期 (生後21〜12週齢頃)
生後21日前後で耳がきこえるようになり、生後5週齢ころ歯が生えそろうと母犬は授乳を嫌がるようになります。7〜10週齢までに離乳します。社会環境に順応しやすく性格がつくられる時期です。

4:若齢期 (生後12週齢頃〜性成熟まで)
運動機能が発達し、離れた場所にも興味を示すようになります。
特に社会化期は集団の中で社会的関係が形成される時期で、適切に社会化期を過ごさないと将来ヒトに飼われる場合に飼いにくい犬となることがあります。社会化期とは、相手(人や犬)に対して相手に応じた適切な行動をとる能力を接触や環境刺激を通して学習獲得することです。ですから、生後1ヶ月くらいに母犬や同腹犬と離され犬を飼う場合は飼い主が同様の社会化作業を行わないと問題行動を起こす要因となってしまうのです。


社会化期のはじめに耳がきこえ、眼がみえるようになり、探索するようになり、同腹犬や人間に関心を示すようになり、この時期から12週齢頃までの子犬の環境や刺激が子犬の性格に大きな影響を与えるのです。社会化期に必要な環境を次に示しました。

1 : 母犬との相互関係
子犬の排泄を促すために陰部をなめる時に子犬は陰部を露出させる姿勢をとります。これは服従の姿勢で、母犬から服従行動を学びます。さらに、離乳時期に子犬が乳房を吸おうとすると、母犬は威嚇したり押さえ込んだりし、その過程で子犬は服従の姿勢をとるようになり服従行動を学ぶのです。子犬が母犬に噛みつくと、歯は犬は強い反撃攻撃をします。そして子犬は二度と母犬をかまなくなります。

2 : 同腹犬との相互関係
子犬同士の遊び(追いかけっこ、じゃれあい、噛み合いなど)のなかで、優位や劣位の行動を学び、ボディーランゲージも学習します。噛み合い遊びの中で噛み付きの許容範囲も学習するのです。

3 : 人間との相互関係
人間と接触することにより、子犬は人間を潜在的な社会的対象動物すなわち、自分と同じ種類の動物とみなすようになるのです。ですから子犬はできるだけ家庭的な環境の中で、男性、女性、子供をはじめとする様々な人間との接触が必要なのです。そうすることにより、新しい飼い主のもとで人間を恐れることのない犬となるのです。

4 : 環境との相互関係
ほとんど刺激のない環境で育った子犬は、学習能力が阻害され、過剰反応や恐怖反応をはじめとする様々な障害が現れやすいということが明らかになってきました。したがって、子犬には社会化期の早い段階から人間環境の経験をさせておく必要があります。例えば、洗濯機、掃除機、テレビなど(人間環境の音)や車に乗せる事などです。こうすることによって、将来新しい飼い主さんのところへ行っても恐怖心を抱いたりその他の問題行動を起こさない犬になるのです。


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